皆さんこんにちは。アルプスピアホーム松本第一店の泉です。
先日、須坂に行く機会があり、少し時間がありましたので、豪商の館『田中本家博物館』に寄ってみました。
江戸中期、初代田中新八が、現在の須坂市穀町で穀物、菜種油、煙草、綿、酒造業などの商売を始め、代々須坂藩の御用達を勤めるとともに、名字帯刀を許される大地主へと成長、3代と5代は幕末には士分として藩の財政に関わる重責も果たし、その財力は須坂藩をも上回る北信濃屈指の豪商となったそうです。そのお屋敷は、敷地面積三千坪、二十の蔵が取り囲む豪壮な屋敷構えは、今なお当時の面影があり、内部には池泉廻遊式庭園のほか客殿や主屋などが軒を連ね、四季折々の散策できるようになっており、ちょっと歴史に思いを馳せる時間となりました。
そこで私が一番興味深かったものが、明治時代に造られた湯殿です。田中家の迎賓館に来られたお客様専用の湯殿で多くの著名人も入られたそうです。
着替えの間は、床の間と飾り窓が付いた、お洒落な作りとなっています。着替えの間の電灯は当時のものらしく、手作りの綺麗な笠がついていました。湯殿は檜造となっており、風呂は沸かすのでなく、炭火で湯を冷まさないようにした造りになっているとのことですが、その裏側は見れませんでした。中央にある木の枠には清水が入り、湯加減調節に使用していたそうです。床の勾配がおもしろくついていて、排水計画が考えられています。現在のお風呂とはもちろん違うものの、その時代の最先端の技術が入っていたのでしょう。窓ガラスも珍しい模様がついており、作り方が分からず、今では作れないガラスだそうです。最近はユニットバスが当たり前になっていて、床がずっと濡れていない、浴槽のお湯が覚めにくい、掃除がしやすい、省エネ設備という、全く違うものになっていますが、昔のおもてなし湯殿を見て、文明の違いを感じました。
今は便利なものが沢山あり、新しい技術を入れて良い商品を作っていくものですが、昔の良いところや風情あるものは感じていたいな、と物思いにふける良い時間でした。また機会があったら、四季を感じれる庭園を今度は感じてみたいと思っています。
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